- コラム
【ホームページに何を載せる?】会社の強みが自分でも分からないときの整理方法
「ホームページを新しくしたいけれど、自社の強みが何なのか、改めて聞かれると言葉に詰まってしまう」という経営者やWEB担当者の方は少なくありません。名古屋などの競争が激しい地域でホームページ制作を進める際、他社との差別化は必須ですが、毎日その仕事に全力で向き合っているからこそ、自分たちの良さが「当たり前」になりすぎて見えなくなってしまうものです。
しかし、強みが不明確なままWEB制作を進めてしまうと、どこかで見たようなテンプレート通りのサイトができあがってしまいます。そうなると、価格競争に巻き込まれたり、本来求めている層とは違うお客様ばかりが集まったりといったミスマッチが起きてしまいます。ホームページは、あなたの会社の「代弁者」です。代弁者が何を語るべきか決まっていない状態では、どれほどデザインを凝っても成果には結びつきません。
自社の強みを見つける作業は、決して特別な才能が必要なものではありません。視点を少し変え、社内に眠っている事実を整理していくだけで、顧客に刺さる「本当の強み」は必ず見つかります。まずは、今の自分たちが持っている価値を客観的に掘り起こすための具体的なステップを考えていきましょう。
目次
顧客の「なぜ?」から逆算して価値を見出す
自社の強みを考えるとき、多くの人が「最新の設備がある」「創業50年の歴史がある」といったスペックや社歴に注目しがちです。もちろんこれらも大切な要素ですが、顧客が本当に知りたいのは「その事実が、自分にとってどんな良いことをもたらすのか」という点です。強みとは、提供側のスペックではなく、顧客が受け取るメリットの中にこそ存在します。
まずは、今お付き合いのあるお客様が、なぜ他社ではなくあなたの会社を選んでくれたのかを思い出してみてください。あるいは、直接聞いてみるのが最も確実です。「近いから」「昔から知っているから」という答えが返ってくるかもしれません。一見、強みとは関係ないように思える理由の中にも、実は「困ったときにすぐ駆けつけてくれる安心感」や「説明の手間が省ける信頼関係」といった、立派な強みが隠されています。
特に地域密着でビジネスをしている場合、名古屋の土地柄を理解していること自体が、遠方の会社には真似できない価値になります。顧客が感じている「小さな満足」を書き出していくことで、自分たちでは気づかなかった独自のポジションが見えてくるはずです。
顧客視点で強みを整理するためのヒント
自社の価値を再発見するために、以下の切り口で事実を並べてみてください。
- お客様から「助かった」「ありがとう」と言われた具体的なエピソード
- 他社に断られた案件を、自社が引き受けて解決したときの理由
- 契約が長続きしているお客様が、自社に対して抱いている共通の印象
- お客様が問い合わせをする直前に、どんな不安や悩みを抱えていたか
- サービスを利用した後の、お客様の生活やビジネスに起きたポジティブな変化
これらの事実は、ホームページ制作におけるキャッチコピーの源泉になります。綺麗な言葉を並べるよりも、実際にあった喜びの声をベースにする方が、新しくサイトを訪れる人の心には深く刺さります。「当たり前」だと思っていた日々の業務の中にこそ、競合を寄せ付けない独自の価値が眠っているのです。
競合と比較して「消去法」で残る個性を探す
「強み」とは、相対的なものです。自分たちだけで考えていても煮詰まってしまうときは、あえて競合他社のホームページをじっくり観察してみましょう。名古屋エリアや同じ業界のライバル企業を数社ピックアップし、彼らが何を大々的にアピールしているのか、逆に何を語っていないのかを分析します。
例えば、競合が「スピード対応」を売りにしているなら、自社は「じっくり時間をかけた丁寧なヒアリング」を売りにできるかもしれません。競合が「安さ」を強調しているなら、自社は「高品質な素材と長期保証」を打ち出すべきです。全ての面で他社を圧倒する必要はありません。市場の中で「あっちの会社はこうだけど、この会社はこうだよね」と区別されるポイントを見つけることが、WEB制作における差別化の第一歩です。
あえて「やらないこと」を決めるのも、強みを際立たせる一つの方法です。「何でもできます」という言葉は、誰にも選ばれないリスクを孕んでいます。「この分野は苦手だけど、この特定の作業についてはどこにも負けない」という潔い姿勢が、特定の悩みを持つ顧客には強烈な魅力として映ります。
ライバルと比較して自社を定義するチェックポイント
競合サイトを分析しながら、自社の立ち位置を明確にするための視点をまとめます。
- 競合がターゲットにしている顧客層と、自社が本当に得意とする顧客層の違い
- 競合サイトの「お客様の声」にはない、自社独自のお客様からの評価ポイント
- 競合が使っている専門用語や説明の仕方に対して、自社が感じる違和感や工夫
- サイトの雰囲気(硬い、柔らかい、先進的、伝統的)における自社の個性
- 提供しているサービスの中で、他社よりも手間をかけている「目立たない工程」
比較をすることで、「自分たちはここを大切にしていたんだ」という信念が浮き彫りになります。その信念こそが、ホームページを訪れたユーザーに安心感を与える「ブランド」の正体です。他社の真似をする必要はありません。むしろ、他社との違いを明確にすることこそが、正しいホームページ制作の在り方です。
現場の「違和感」と「こだわり」に目を向ける
会社の強みは、社長室や会議室だけでなく、作業現場や営業の最前線にも隠れています。現場のスタッフが「本当はもっとこうしたい」「このやり方は非効率だけど、品質のために譲れない」と感じている部分にこそ、その会社の本質が現れます。経営者の方が気づいていない、現場ならではの「隠れたこだわり」を掘り起こしてみてください。
例えば、納品前のチェックを何度も繰り返すことや、現場を去る前に必ず清掃を徹底すること、電話応対で必ず名前を復唱することなど、社内では「当然のルール」として行われている些細な習慣です。これらは、外部から見れば非常に誠実で価値のある行為ですが、当事者にとっては空気のような存在になっています。こうした「社内では当たり前すぎるこだわり」を言葉にして、WEBサイトのコンテンツとして掲載するのです。
特にWEB制作において、写真や動画は強力な武器になります。言葉で「丁寧です」と言うだけでなく、実際にスタッフが丁寧に作業している手元や、整理整頓された社内の様子を見せるだけで、説得力は何倍にも膨らみます。こうした事実の積み重ねが、強みを裏付ける強力な証拠となります。
社内の「当たり前」を価値に変えるための質問
社内のメンバーと会話をする際に、強みのタネを見つけるための問いかけを整理しました。
- 「お客様に喜んでもらうために、密かに気をつけていることは何?」
- 「今の仕事の中で、一番時間がかかっているのはどの工程?」
- 「競合他社の仕事を見て、『自分たちならもっとこうするのに』と思う点は?」
- 「新人スタッフが最初に驚く、自社ならではのルールや文化はある?」
- 「創業当時から変わらずに守り続けている、仕事の進め方の癖はある?」
これらの質問から出てくる答えは、どれも生きた情報の宝庫です。かっこよく加工された宣伝文句よりも、現場から溢れ出た熱のある言葉の方が、読み手には誠実に伝わります。自社の強みが分からないときは、自分一人で悩まずに、一番近くで働いている仲間の声に耳を傾けてみてください。
ホームページという器を使って強みを「作る」
強みとは、今持っているものだけではありません。ホームページ制作というプロセスを通じて、新しく定義し、育てていくものでもあります。今の時点で「これといった強みがない」と感じているのであれば、これから「どんな会社として認知されたいか」を決め、それに合わせた情報発信を始めることが重要です。
例えば、「名古屋で一番親身な相談ができる会社」になると決めたなら、サイト上でお客様の悩みに答えるコラムを書き溜めたり、無料相談のハードルを徹底的に下げたりといった施策を積み重ねます。最初は自称であっても、発信を続け、それに基づいたサービスを実際に提供し続けることで、それはやがて誰からも認められる「本物の強み」へと変わっていきます。
ホームページは、完成がゴールではなく、運用しながら会社を成長させていくためのツールです。今の自分たちの等身大の姿を映し出しつつ、理想とする姿に向かってコンテンツを積み上げていく。その過程そのものが、他社には真似できない唯一無二の資産になります。今の時点で完璧な強みを求めて立ち止まる必要はありません。
強みを育てていくための継続的な取り組み
サイト公開後に、自社の価値を高め続けるためのアクションを整理します。
- 寄せられた質問と回答をFAQ(よくある質問)として蓄積し、専門性を高める
- 日々の仕事で得た学びや事例をブログとして公開し、信頼を積み上げる
- 定期的にお客様にアンケートを行い、自社のどこに価値を感じたかフィードバックをもらう
- アクセス解析を見て、ユーザーが自社のどんな情報に興味を持っているか探る
- 市場の変化に合わせて、打ち出すべき強みの優先順位を柔軟に入れ替える
WEB制作を通じて自社を見つめ直すことは、経営戦略そのものをブラッシュアップすることに他なりません。ホームページという窓口があるからこそ、市場の反応をダイレクトに受け取り、自分たちの強みを磨き続けることができます。「強みがない」という悩みは、これから強みを作っていくためのチャンスだと捉えてください。
まとめ
自社の強みは、自分たちの足元に必ず転がっています。お客様の感謝の言葉や、現場のこだわり、そして競合との細かな違いを一つずつ拾い上げていけば、それがあなただけの強力な武器になります。自分たちだけでは見つけにくいその魅力を、一緒に整理して形にしていきませんか。
投稿者プロフィール

株式会社デジタルダイブ サービス担当者
1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋をはじめ、東京や大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。
また、webデザインをはじめとしたクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO名古屋」を運営しています。
【許認可】
一般社団法人 日本Web協会、日本セイバーメトリクス協会(理事)、愛知県「あいちロボット産業クラスター推進協議会」(無人飛行ロボット活用WG)、JETRO(日本貿易振興機構)、名古屋市 SDGs 推進プラットフォーム 他
【有資格】
愛知県 競争入札参加資格、名古屋市 競争入札参加資格、全国 競争入札参加資格、全省庁 競争入札参加資格 他