Digital Dive
  1. Top
  2. コラム・ニュース
  3. 【どう使い分ける?】自動翻訳とプロ翻訳を使い分ける「コンテンツ別戦略」

Column&news

コラム・ニュース

  • コラム

【どう使い分ける?】自動翻訳とプロ翻訳を使い分ける「コンテンツ別戦略」

翻訳のイメージ

グローバル化が進む中で、ホームページ制作を検討する際に「多言語対応」を視野に入れる企業が増えています。特に名古屋のような製造業や観光資源が豊かな地域では、海外の取引先や観光客に向けて英語や中国語で情報を発信することは、もはや特別なことではなくなりました。しかし、そこで直面するのが「翻訳をどうするか」という問題です。

最近ではAI技術の進化により、高精度な自動翻訳ツールが手軽に利用できるようになりました。一方で、重要な契約に関わる内容やブランドイメージを左右する文章については、やはりプロの翻訳者に依頼すべきだという声も根強くあります。WEB制作の現場では、すべてのページをプロの手で翻訳するのが理想ですが、膨大なコストと時間がかかるため、現実的ではないことも多いのが実情です。

多言語サイトを成功させる鍵は、すべての文章を同じ方法で翻訳することではなく、コンテンツの重要度や目的に応じて「自動翻訳」と「プロ翻訳」を賢く使い分ける戦略にあります。今回は、コストを抑えつつも、海外ユーザーからの信頼を損なわないための翻訳使い分けを詳しく解説します。

1. ブランドの信頼性を左右する「重要コンテンツ」はプロ翻訳が鉄則

会社の顔となるトップページのキャッチコピーや、経営理念、代表挨拶といったコンテンツは、その企業の「人格」を表す非常に重要な部分です。こうした場所で不自然な自動翻訳を使ってしまうと、海外のユーザーに「この会社は細部にまで気を配れないのではないか」「あまり信頼できないかもしれない」というネガティブな印象を与えてしまいます。

プロの翻訳者が行うのは、単なる言葉の置き換えではありません。現地の文化や習慣、ビジネスの文脈を理解した上で、最も心に響く言葉選びを行う「ローカライズ」という作業です。例えば、日本語特有の謙譲語や情緒的な表現をそのまま直訳すると、英語圏では意味が通じなかったり、弱々しい印象を与えたりすることがあります。ホームページ制作において、自社の強みを正しく、力強く伝えるためには、プロの感性が不可欠です。

特に名古屋の製造業のように、高度な技術力や信頼を売りにしている企業の場合、専門用語の誤訳は致命的なミスに繋がります。製品の核となる技術説明や、主要なサービス案内についても、まずはプロの手で正確かつ魅力的な文章を作成することをお勧めします。

プロ翻訳に任せるべき主なコンテンツ一覧

以下のようなページは、読み手の感情を動かしたり、法的な責任を伴ったりするため、プロの手を通すべきです。

  • トップページのメインキャッチコピーおよびリード文
  • 経営理念、代表挨拶、企業ビジョンを語るページ
  • 自社の強みを強調するサービス詳細や製品の主要スペック
  • 会社概要や沿革などの公式な情報
  • 契約条項、プライバシーポリシー、利用規約などの法的文書

これらのページは一度作れば頻繁に変更されるものではないため、初期のWEB制作段階でしっかりと予算をかけ、高品質な翻訳をストックしておくことが長期的な集客に繋がります。

2. 情報量とスピードが命の「流動的コンテンツ」は自動翻訳を活用

一方で、日々更新されるニュース、スタッフのブログ、膨大な数の製品ラインナップの簡易説明などについては、自動翻訳を積極的に活用すべきです。これらをすべてプロに依頼していると、コストが膨れ上がるだけでなく、情報の鮮度が失われてしまいます。

現代の自動翻訳ツール、特にDeepLやChatGPTなどのAIを活用した翻訳は、事実関係を伝えるだけであれば十分な精度を持っています。「名古屋で開催される展示会に出展します」といった事務的なお知らせであれば、自動翻訳でも大きな誤解を招くことは少なくなっています。WEB制作のシステム(CMS)と自動翻訳APIを連携させれば、日本語の記事を公開した瞬間に多言語ページを生成することも可能です。

大切なのは、「このページは自動翻訳を使用しています」という注釈を添えておくことです。これにより、万が一不自然な表現があってもユーザーに理解を求めることができ、利便性とコストのバランスを保つことができます。すべての情報を完璧な外国語にするのではなく、「まずは情報を届ける」というスピード感を重視する場面では、テクノロジーの恩恵を最大限に受けるべきです。

自動翻訳でも大きな問題になりにくいコンテンツ

以下のような「事実の伝達」が主目的で、更新頻度が高い内容は自動翻訳に向いています。

  • 最新ニュースやプレスリリースのアーカイブ
  • 現場の様子を伝えるブログやスタッフコラム
  • 膨大な数の周辺パーツや消耗品の簡易説明ページ
  • よくある質問(FAQ)の回答の一部(技術的な回答を除く)
  • 期間限定のキャンペーン告知やイベント案内

自動翻訳を導入することで、これまで日本語でしか発信できていなかった細かな情報を、世界中に向けてリアルタイムで届けられるようになります。これは、海外市場へのリーチを広げる上で非常に強力な武器となります。

3. 中間の解決策「ポストエディット」でコストと質を両立する

プロ翻訳は高いが、自動翻訳のままでは不安だという場合に有効なのが「ポストエディット」という手法です。これは、AIが作成した下訳をプロの翻訳者がチェックし、誤訳の修正や表現の微調整を行う方法です。一から人間が翻訳するよりもコストを抑えられ、かつ自動翻訳特有の「致命的な間違い」を防ぐことができます。

例えば、製品の導入事例や、お客様の声といったコンテンツにポストエディットは最適です。事例紹介は信頼構築に役立つため質を確保したいところですが、数が多いとプロ翻訳では予算オーバーになります。そこで、AIに大枠を訳させ、人間が「専門用語が正しく使われているか」「文脈が通っているか」を確認することで、実用的なレベルの多言語ページを効率的に量産できます。

ホームページ制作の計画段階で、どのページを「フルプロ翻訳」にし、どのページを「ポストエディット」にするか、そしてどこを「自動翻訳」のままにするかという優先順位を決めておきましょう。このメリハリこそが、予算の限られた中小企業が多言語WEB制作を成功させるための秘訣です。

ポストエディットを活用すべきコンテンツの判断基準

効率的に質を高めるために、以下のような性質を持つコンテンツをポストエディットの対象にしましょう。

  • 定型文に近いが、正確性が求められる施工事例や導入実績
  • 技術的な内容を含む、エンジニア向けのナレッジベース
  • 日本語独特の言い回しが多く、自動翻訳では文意が崩れやすい紹介文
  • 市場調査や統計データなど、数字の正確さが重要なレポート
  • 採用情報など、求職者に自社の雰囲気をある程度正しく伝えたいページ

プロの目を入れることで、自動翻訳にありがちな「主語の取り違え」や「肯定・否定の逆転」といった重大なミスを排除できます。機械のスピードと人間の知性を組み合わせることで、賢く多言語化を進めることが可能です。

4. ユーザー体験を損なわないための「多言語設計」の注意点

翻訳方法が決まったら、次に考えるべきは「多言語サイトの使い勝手」です。どれほど素晴らしい翻訳を用意しても、言語の切り替えボタンがどこにあるか分からなかったり、特定の言語だけでデザインが崩れていたりすると、海外ユーザーはすぐに離脱してしまいます。

例えば、英語は日本語よりも文字数が多くなる傾向があります。日本語で綺麗に収まっていたボタンのテキストが、英語になった途端に枠からはみ出してしまうといったトラブルは、WEB制作の現場では日常茶飯事です。最初から多言語展開を想定した柔軟なレイアウト設計を行っておくことが重要です。

また、検索エンジン対策(多言語SEO)も忘れてはいけません。自動翻訳をそのまま表示させているだけでは、現地の検索結果に表示されにくい場合があります。それぞれの言語ごとに固有のURL(ディレクトリ)を持たせ、Googleに対して「このページはこの言語のユーザー向けです」と正しく伝えるためのタグ(hreflangタグ)を設置するなど、技術的な裏付けがあって初めて、翻訳された言葉はターゲットに届きます。

多言語WEB制作で失敗しないための技術的チェックポイント

翻訳されたコンテンツを活かすために、システム面で以下の準備を整えましょう。

  • 言語ごとに専用のURL構造(例:/en/や/cn/)を用意する
  • ユーザーのブラウザ言語を判別し、最適な言語ページへ自動で誘導するか、選択肢を提示する
  • 各言語の文字数の増減に耐えられる、レスポンシブなデザインテンプレートを使用する
  • 翻訳ツールが読み取れない「画像内の文字」を極力減らし、テキストで構成する
  • 現地の検索キーワードに合わせたメタタグ(タイトルや説明文)を個別に設定する

多言語化は、単に翻訳ファイルをアップロードする作業ではありません。現地のユーザーが自分の国の言葉で検索し、自国向けのサイトのように違和感なく閲覧できる環境を整えること。その全体設計の中に、翻訳の使い分け戦略を組み込むことが大切です。

まとめ

ホームページ制作における多言語対応は、会社の信頼を築く「プロ翻訳」と、情報の拡散を担う「自動翻訳」を、ページごとに戦略的に使い分けることが成功の近道です。すべての言葉を完璧にする必要はありませんが、絶対に外してはいけないポイントをプロの視点で押さえることで、限られた予算でも世界に通用する窓口を作ることができます。海外展開を見据えたサイトの在り方について、一度専門家に相談してみませんか。


デジタルダイブ
株式会社デジタルダイブ サービス担当者

1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋をはじめ、東京や大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。
また、webデザインをはじめとしたクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO名古屋」を運営しています。

【許認可】

一般社団法人 日本Web協会、日本セイバーメトリクス協会(理事)、愛知県「あいちロボット産業クラスター推進協議会」(無人飛行ロボット活用WG)、JETRO(日本貿易振興機構)、名古屋市 SDGs 推進プラットフォーム 他

【有資格】
愛知県 競争入札参加資格、名古屋市 競争入札参加資格、全国 競争入札参加資格、全省庁 競争入札参加資格 他