- コラム
【ホームページあるある?】「とりあえず作ったホームページ」が放置される理由

多くのWEB担当者や中小企業の経営者の方から、「数年前にとりあえずホームページを作ったけれど、全く問い合わせが来ない」「更新が止まっていて、もはや会社の看板として機能していない」というお悩みを伺います。特に名古屋市内でも、競合他社がデジタル活用を強める中で、自社のサイトだけが取り残されていると感じている方は少なくありません。
「とりあえず形があればいい」という考えで作られたサイトが放置されてしまうのには、明確な理由があります。それは、制作段階で「誰が、いつ、どのように運用するか」という視点が抜け落ちているからです。
目次
運用を想定していない設計の限界
ホームページは、公開した瞬間が完成ではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。しかし、「とりあえず」で作られたサイトの多くは、更新作業が非常に手間に感じる設計になっています。
- 専門的なHTMLの知識がないとテキスト1つ修正できない
- スマートフォンの表示が崩れていて、出先で見せることができない
- 社内の誰もログイン情報を把握していない
- サーバーやドメインの管理が不透明で、下手に触るのが怖い
- 何を投稿していいのか、記事のネタが全く決まっていない
こうした小さなストレスが積み重なると、日々の業務に追われる経営者やWEB担当者は、次第にサイトから足が遠のいてしまいます。結果として、数年前の古い情報のまま放置され、検索順位も下がり、最終的には「あってもなくても同じ」存在になってしまうのです。
検索エンジン(Google)から見放される負のスパイラル
ホームページを放置することは、単に情報が古くなるだけではありません。Googleなどの検索エンジンからの評価が著しく低下し、インターネット上での「存在感」が消えてしまうリスクを孕んでいます。
検索エンジンは「ユーザーにとって有益で、鮮度の高い情報」を優先して上位に表示します。数ヶ月、あるいは数年も更新がないサイトは「活動実態が不明なサイト」とみなされ、検索結果の圏外へと追いやられます。例えば「名古屋 製造業」や「名古屋 リフォーム」といった、本来なら顧客が検索するキーワードで自社が表示されないのは、大きな機会損失です。
放置されたサイトが招くビジネス上のリスク
また、放置されたホームページは、信頼性の面でもマイナスに働きます。
- お知らせが「3年前」で止まっていると、ユーザーに「この会社、まだ営業しているのかな?」という不安を与えます
- 古いブラウザで表示が崩れるサイトは、ITリテラシーが低い印象を持たれます
- セキュリティ対策(SSL化など)がなされていないと、ブラウザで「保護されていない通信」と警告が出て、即座に離脱されます
- リンク切れが多いサイトは、ユーザーの利便性を著しく損ないます
- 最新のサービス内容と相違があると、問い合わせ時にトラブルの原因になります
このように、放置されたサイトは集客に役立たないどころか、会社のブランド価値を下げる「負債」になりかねません。WEBサイトは24時間働く営業マンと言われますが、メンテナンスを怠れば、その営業マンは誤った情報を流し続け、顧客を遠ざける存在になってしまいます。
成果を出すホームページに必要な「自走できる仕組み」
「とりあえず」を脱却し、実際に問い合わせや注文につなげるためには、テクニック以前に「自社で無理なく運用し続けられる仕組み」が必要です。高機能なサイトを作ることよりも、自分たちの手で簡単に情報を発信できる環境を整えることの方が、中長期的なSEO(検索エンジン最適化)においては重要です。
特に、専任のWEB担当者がいない中小企業の場合、操作のしやすさは最優先事項です。WordPress(ワードプレス)などの管理画面が使いやすくカスタマイズされているか、投稿のテンプレートが用意されているかといった「運用のしやすさ」が、サイトの寿命を決めると言っても過言ではありません。
運用を習慣化するためのポイント
日々の業務の中でホームページを活用していくためには、以下のような体制づくりが効果的です。
- スマホで写真を撮ってその場でアップロードできる手軽さを確保する
- 施工事例やお客様の声など、書く内容の「型」を決めておく
- 週に一度、15分だけサイトをチェックする時間をスケジュールに入れる
- アクセス解析(Googleアナリティクスなど)を見て、どのページが見られているか把握する
- WEB制作会社を「作るだけ」の関係ではなく、運用のパートナーとして活用する
名古屋という競争の激しいエリアで勝ち残るには、派手なデザインよりも、誠実でこまめな情報発信が信頼を生みます。お客様が知りたいのは「この会社は今、何をしているのか」「どんな強みがあるのか」という生の情報です。それらを継続して発信できる土台があって初めて、ホームページは利益を生むツールへと進化します。
まとめ
ホームページは、作った後の育て方次第で、強力な集客資産にもなれば、放置された看板にもなります。「とりあえず」で止まっている現状を変えるために、まずは今のサイトが抱える課題を整理してみませんか。