- コラム
競合は増えているのに売上が伸びない会社が見直すべきWeb施策
インターネットで情報を探すことが当たり前になった今、どの業界でも競合他社のホームページ制作のレベルは格段に上がっています。数年前までは、ただサイトを持っているだけで「地域で一番詳しい会社」として認知されていたかもしれません。しかし現在は、名古屋のような都市部はもちろん、どのエリアであっても「検索して比較される」のが大前提の時代になりました。
「広告費をかけているのに問い合わせが増えない」「アクセス数はそれなりにあるのに、成約までつながらない」という悩みを持っているWEB担当者や経営者の方は多いはずです。その原因の多くは、市場の成熟に対して自社のWEB制作の基準が止まってしまっていることにあります。競合他社がユーザーの悩みに寄り添ったコンテンツを充実させ、スマートフォンの操作性を極限まで高めている中で、昔ながらの「会社案内」の延長のようなサイトを使い続けていては、勝ち残ることは難しくなっています。
売上が伸び悩んでいるときに必要なのは、闇雲に広告を増やすことではなく、現在のWeb施策が「今の顧客の目線」に合っているかどうかを冷静に見直すことです。他社に流れてしまっている見込み客を確実にキャッチするために、まずどこから手を付けるべきか、具体的な改善のポイントを掘り下げていきましょう。
目次
ユーザーの「比較」を勝ち抜くためのコンテンツ戦略
現代のユーザーは、一つの会社を見てすぐに決めることはありません。必ず複数のサイトを回遊し、自分にとって最もメリットがある、あるいは最も信頼できそうな会社を数社に絞り込みます。競合が増えている状況で選ばれるためには、自社のホームページ制作において「他社ではなく、なぜ自社なのか」という問いに対する明確な答えを用意しておかなければなりません。
多くの企業が陥りがちなのが、自社の強みを「高品質」「親切丁寧」「安心の実績」といった抽象的な言葉で片付けてしまうことです。しかし、これらの言葉は競合他社も等しく使っています。比較検討しているユーザーからすれば、どのサイトを見ても同じことが書いてあるように見えてしまい、結局は「価格が安い方」や「デザインが今風な方」を選んでしまうことになります。
名古屋でビジネスを展開している場合、地域のお客様がどのような不安を抱え、何を求めているかを徹底的にリサーチする必要があります。例えば、「地元の気候に詳しい」「近隣のトラブル事例を熟知している」といった、大手や他社には真似できない具体的な「現場の知恵」をコンテンツ化することが、最強の差別化になります。
比較検討の土台に乗るための必須コンテンツ
ユーザーが「この会社なら任せられる」と判断するために必要な情報は、実は非常に具体的です。
- 過去の失敗例とその解決策など、表面的ではないリアルな施工事例や導入実績
- 実際にサービスを利用したお客様の、メリットだけでなくデメリットも含めた生の声
- サービス提供後のアフターフォローや保証内容など、契約後の不安を解消する詳細情報
- 専門用語を一切使わず、図解や写真を用いて作業工程を視覚的に説明したページ
- 競合他社との違いを一覧表にし、自社が得意なことと不得意なことを明確に開示したコンテンツ
これらの情報を充実させることで、サイトを訪れたユーザーは「この会社は自分たちのことを分かってくれている」と感じるようになります。情報の量ではなく、情報の「質と具体性」で競合を上回ること。それが、比較の場を勝ち抜くための第一条件です。
スマートフォン中心のユーザー体験への最適化
Web施策を見直す際、デザインの良し悪し以上に売上を左右するのが「使い勝手」です。特にスマートフォンの普及により、BtoB・BtoCを問わず、最初の接触はスマホで行われることがほとんどです。しかし、多くのホームページ制作において、いまだにPCでの見た目が優先され、スマホでの操作性が二の次になっているケースが散見されます。
スマホユーザーは非常にせっかちです。ページが開くまでに3秒以上かかったり、文字が小さくてピンチアウトしなければ読めなかったり、ボタンが小さくて押し間違えたりするだけで、すぐにブラウザの戻るボタンを押してしまいます。これを「離脱」と呼びますが、離脱したユーザーは二度と戻ってきません。競合他社に流れる最大の原因は、実はコンテンツ以前に、こうした「ストレス」にあることが多いのです。
また、Googleの検索エンジンも「モバイルファーストインデックス」を導入しており、スマートフォンでの使い勝手が悪いサイトの検索順位を下げる傾向があります。つまり、スマホ対応を疎かにすることは、SEO(検索エンジン最適化)においても、ユーザーの成約率においても、二重の損失を生んでいることになります。
スマートフォン対応でチェックすべき改善ポイント
自社のサイトをスマホで操作してみて、以下の点がスムーズにできているか確認してみてください。
- サイトの読み込み速度が速く、スクロールした際に画像がスムーズに表示されるか
- 親指だけで主要なメニュー操作や、お問い合わせフォームへの入力が完結できるか
- 住所をタップすればGoogleマップが起動し、電話番号をタップすれば即発信できるか
- 過度なポップアップ広告やバナーが、読みたいコンテンツを遮っていないか
- フォームの入力項目が多すぎず、スマホのキーボードでも入力しやすい工夫がされているか
名古屋のビジネスマンや主婦層が、移動中や家事の合間にスマホで検索している場面を想像してください。そのわずかな時間の中で、ストレスなく必要な情報にたどり着ける設計になっているかどうかが、売上を分ける大きな境界線になります。技術的なトレンドに合わせるのではなく、ユーザーの「不便」を解消することに注力しましょう。
公開後のデータを活用した「育てる」Web施策
ホームページ制作を依頼して、サイトが新しくなれば売上が上がると考えている方は多いですが、実際には公開してからが本当の勝負です。競合がひしめき合う市場で成果を出し続ける会社は、必ずと言っていいほどアクセス解析データを活用し、常にサイトの微調整を繰り返しています。
「どのページが一番見られているのか」「どのキーワードで流入しているのか」「どこでユーザーがページを閉じてしまっているのか」といったデータには、売上アップのためのヒントが詰まっています。例えば、ある特定のブログ記事にアクセスが集中しているなら、そのテーマを深掘りした資料を配布することで、リード(見込み客)の獲得に繋がるかもしれません。逆にお問い合わせページまでは行くのに送信完了まで至らないなら、入力フォームに何らかの欠陥がある可能性があります。
Web施策を成功させるためには、勘や経験だけに頼るのではなく、客観的な事実に基づいて改善を行う体制を作ることが不可欠です。名古屋で堅実に成長している企業は、この「PDCAサイクル」を回すスピードが非常に速いのが特徴です。制作会社に任せっきりにするのではなく、自らも数字に興味を持ち、仮説と検証を繰り返す姿勢が求められます。
成果を出すために定点観測すべき指標
データを活用してサイトを改善していくためには、以下の指標を定期的にチェックすることをおすすめします。
- 月ごとのセッション数(訪問者数)と、その流入経路の割合の変化
- 特定のページを閲覧したユーザーのうち、何%が問い合わせに至ったかというCVR(コンバージョン率)
- 検索順位が上がっているキーワードと、逆に下がってしまっているキーワードの特定
- サイト内検索でユーザーがどのような言葉を入力しているかという「潜在ニーズ」の把握
- お問い合わせフォームでの離脱率と、入力エラーが頻発している項目の洗い出し
これらのデータを分析し、優先順位を付けて一つずつ改善していくことで、ホームページは「静止したパンフレット」から「自ら稼ぐ営業マン」へと進化します。一度にすべてを完璧にする必要はありません。データに基づいた小さな改善の積み重ねこそが、競合との圧倒的な差を生むことになります。
信頼を醸成する「顔の見える」情報発信の重要性
Web制作において、最後の決め手となるのは「安心感」です。特に、高額な商品や一生に一度のサービスを扱う場合、ユーザーは「この会社は実在するのか」「どんな人が対応してくれるのか」を非常に気にします。競合が増えれば増えるほど、スペックや価格の差は縮まり、最終的には「誰から買うか」という属人的な要素が重要視されるようになります。
しかし、多くの企業サイトでは、素材サイトから買ってきたようなモデルの画像や、ありきたりな文章ばかりが並んでいます。これでは、ユーザーの心に響くことはありません。名古屋の地域に根ざしたビジネスであれば、地元の風景が写った写真や、実際に働く社員の笑顔、代表者の情熱的なメッセージなど、嘘偽りのない「リアルな姿」を見せることが最大の武器になります。
「恥ずかしいから」「社内の協力が得られないから」という理由で自分たちの露出を避けている会社は、大きなチャンスを逃しています。Web上で顔を出し、考えを発信することは、それだけで「逃げも隠れもしない」という信頼の証になります。その信頼こそが、競合他社との厳しい比較競争の中で、最後の最後に自社を選んでもらうための決定打となるのです。
信頼を勝ち取るためのブランディング要素
ユーザーの不安を払拭し、親近感を持ってもらうためには、以下のようなコンテンツが効果的です。
- 代表者やスタッフが自らの言葉で語る、仕事に対するこだわりや失敗談のブログ
- スタッフ紹介のページに、趣味や特技など人間味が伝わる一言を添える
- 事務所や店舗の様子を動画で紹介し、実際に訪れた時の雰囲気を疑似体験してもらう
- トラブルが発生した際の対応フローや、責任者の連絡先を明記しておく
- 定期的に開催しているイベントや勉強会の様子を、写真付きでレポートする
こうした「人間味」を感じさせる施策は、一度整えてしまえば、他社が簡単に真似できるものではありません。デザインやシステムは模倣できても、あなたの会社が歩んできた歴史やスタッフの個性は唯一無二のものだからです。Web施策の原点に立ち返り、画面の向こう側にいる一人の人間に向けて、誠実な情報を届け続けること。それが、競合がどれほど増えても揺るがない、強い集客基盤を作る唯一の道です。
まとめ
競合が増え続ける市場で売上を伸ばすためには、従来のWeb施策を今の顧客ニーズに合わせてアップデートし続ける勇気が必要です。デザインを新しくするだけでなく、コンテンツの具体性、操作の快適さ、データの活用、そして人間味のある情報発信という4つの柱を見直すことで、ホームページは真の力を発揮します。自社のサイトが今の市場で十分に戦えているか、今一度チェックしてみることが、現状を打開するための近道となります。
投稿者プロフィール

株式会社デジタルダイブ サービス担当者
1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋をはじめ、東京や大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。
また、webデザインをはじめとしたクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO名古屋」を運営しています。
【許認可】
一般社団法人 日本Web協会、日本セイバーメトリクス協会(理事)、愛知県「あいちロボット産業クラスター推進協議会」(無人飛行ロボット活用WG)、JETRO(日本貿易振興機構)、名古屋市 SDGs 推進プラットフォーム 他
【有資格】
愛知県 競争入札参加資格、名古屋市 競争入札参加資格、全国 競争入札参加資格、全省庁 競争入札参加資格 他