- コラム
【ホームページの疑問】問い合わせが来ないのは商品ではなく“見せ方”の問題かも?
せっかく費用をかけてホームページ制作を行ったのに、待てど暮らせど問い合わせが来ない。そんな悩みを抱えている経営者やWEB担当者の方は少なくありません。「うちの商品に魅力がないのかな?」「価格設定が高すぎるのだろうか?」と、ついついサービスそのものを疑ってしまいがちですが、実はその原因の多くは商品力ではなく、WEBサイトにおける「見せ方」にあります。
インターネットの世界には、競合他社の情報があふれています。名古屋のような経済活動が活発なエリアであれば、なおさらです。ユーザーは複数のサイトを回遊し、ほんの数秒で「この会社は自分に合っているか」を判断します。どんなに優れた技術や製品を持っていても、その価値がユーザーの視点に合わせて正しく翻訳されていなければ、検討の土台にすら乗ることができません。
問い合わせが来ないホームページには、共通する「見せ方のミス」が存在します。それは、提供者側が伝えたいことだけを並べてしまい、顧客が知りたいことに答えていないというギャップです。このギャップを埋めるためのWEB制作の考え方を整理することで、現状を打破するヒントが見つかるはずです。
目次
ユーザーの不安を解消する「情報の具体性」が足りない理由
ホームページを訪れるユーザーは、常に不安を抱えています。「本当にこの会社に任せて大丈夫か?」「失敗したらどうしよう」という心理的な壁があるのです。この壁を壊すために必要なのが情報の具体性ですが、多くのサイトでは「安心・安全」「誠実な対応」といった抽象的な言葉が並ぶにとどまっています。これでは、他社との違いが判らず、ユーザーは比較検討を諦めて離脱してしまいます。
例えば、名古屋で製造業を営んでいる会社が「高い技術力があります」と書くだけでは不十分です。「どのような設備を使い、どのような精度で、過去にどんな困難な課題を解決してきたのか」という具体的なエピソードやデータがあって初めて、ユーザーは技術力を信頼します。見せ方の改善とは、言葉の表面を飾ることではなく、信頼の根拠を提示することです。
また、意外と見落としがちなのが「価格」や「納期」の目安です。BtoBの取引では「案件により異なるためお見積り」となりがちですが、全く指標がない状態では問い合わせのハードルが極端に上がります。「モデルケースではこれくらい」という具体例を出すだけで、ユーザーは予算感を把握でき、安心して連絡できるようになります。
信頼を勝ち取るために今すぐ掲載すべき要素
ユーザーが問い合わせボタンを押す前に確認したい情報は、以下のような「証拠」に基づいたコンテンツです。
- 過去の失敗や苦労話をどう乗り越えたかという、ストーリー性のある施工・導入事例
- 実際にサービスを利用したお客様が、実名や顔写真付きで語る具体的なメリット
- 契約から納品まで、誰がどのように対応してくれるのかという詳細なフロー図
- よくある質問に対して、専門用語を使わずに一歩踏み込んで回答しているFAQ
- 保証内容やアフターサポートなど、万が一の際のリスク回避に関する明文化された約束
これらの情報を充実させることは、単に親切なだけでなく、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも非常に有効です。Googleは、専門性と信頼性の高いコンテンツを高く評価するため、具体的な情報を積み重ねることは、検索順位の向上にも直結します。
スマートフォン時代の「使い勝手」というおもてなし
WEB制作において「見せ方」とは、視覚的なデザインだけを指す言葉ではありません。ユーザーがいかにストレスなく情報を得られるかという「体験(UX)」も、重要な見せ方の要素です。特に現在は、BtoB・BtoCを問わずスマートフォンの閲覧が主流です。PCで見た時には綺麗でも、スマホで見ると文字が重なっていたり、ボタンが小さくて押せなかったりするサイトは、その時点で問い合わせの機会を捨てているのと同じです。
スマホユーザーは非常にせっかちです。通勤電車の中や、業務の合間のわずかな時間で検索をしています。その際、ページが開くのが遅かったり、メニューが複雑で迷子になったりするサイトに、最後まで付き合ってくれるユーザーはいません。「見せ方」の改善には、こうしたテクニック以前の「おもてなしの設計」が必要不可欠です。
名古屋の街中を歩いているとき、看板が見やすく入りやすい店には自然と足が向きます。ホームページも全く同じです。情報を整理し、ユーザーが次に何をすべきかを迷わせない導線設計を整えることが、結果として問い合わせ数の増加に繋がります。
ストレスフリーなサイトを実現するためのチェックポイント
自社のホームページをスマートフォンで操作してみて、以下の項目に不備がないか確認してみてください。
- サイトの読み込み速度が速く、数秒以内にすべてのメインコンテンツが表示されるか
- 問い合わせフォームの入力項目が多すぎず、スマホのキーボードでも入力しやすいか
- 重要なボタン(電話、メール、資料請求)が指の届きやすい位置に配置されているか
- 画像のサイズが適切で、拡大しなくても細かな文字や図表が読み取れるか
- ページ間の移動がスムーズで、今自分がサイトのどこにいるのかが直感的に分かるか
どれほど中身が良いサイトでも、操作性が悪いだけで「この会社はデジタルに疎いのかもしれない」というネガティブな印象を与えてしまいます。逆に、スマホでの操作が快適であれば、それだけで「丁寧な仕事をする会社だ」という信頼の貯金ができるのです。
「誰が」運営しているかという人間味の欠如
インターネット上の取引において、最後にユーザーの背中を押すのは「安心感」です。特に顔が見えないWEB制作の世界では、そのサイトの裏側にどんな人がいるのかが見えないと、高額な発注や大切な相談はしにくいものです。問い合わせが来ないサイトの多くは、どこか無機質で、会社の「体温」が伝わってきません。
フリー素材の外国人モデルの画像ばかりを使っていませんか? どこかのサイトからコピーしてきたような、当たり障りのない挨拶文になっていませんか? こうした「借り物の見せ方」は、ユーザーにすぐに見透かされます。名古屋に根ざした企業であれば、地元の街並みが背景に写った写真や、実際に働いている社員の方々の自然な笑顔を載せるべきです。
「うちは表に出るようなタイプの社員がいないから」と遠慮する必要はありません。プロが撮った写真でなくても、誠実に仕事に向き合っている姿が伝われば、それが何よりの強力なコンテンツになります。人間味が伝わる見せ方は、他社との価格競争を回避し、「あなたにお願いしたい」と言ってもらうための近道です。
親近感を醸成するためのコンテンツ活用術
ユーザーに「この人たちなら話しやすそうだ」と感じてもらうためには、以下のような発信が効果的です。
- 現場スタッフによる日々の気づきや、技術的なこだわりを紹介するブログ
- 会社の創業背景や、なぜ今のサービスを始めたのかという熱い想いを込めた代表メッセージ
- 職場の雰囲気が伝わる動画や、打ち合わせスペース、作業現場のリアルな写真
- 地域活動への参加報告など、その土地で活動していることが伝わるニュース
- スタッフ紹介ページに、資格だけでなく趣味や特技など人間味がわかる一言を添える
こうした情報は、一見するとビジネスに直結しないように思えるかもしれません。しかし、検討段階の最後に二つの会社で迷ったとき、決め手になるのは「信頼できそうな人がいる方」です。デジタルな空間だからこそ、アナログな温かみをどう見せるかが重要になります。
改善を結果に繋げるためのデータ分析と仮説
「見せ方」を改善したつもりでも、それが本当に正解だったかどうかは、数字を見なければ分かりません。ホームページ制作は公開して終わりではなく、そこからユーザーの反応を見て修正を繰り返していく「育てる」作業が必要です。アクセス解析ツールを使いこなすことで、問い合わせが来ない本当の理由を突き止めることができます。
例えば、トップページにはたくさんの人が来ているのに、詳細ページへの移動が少ないのであれば、メニューの書き方やボタンのデザインに問題があるかもしれません。また、お問い合わせフォームまでは辿り着いているのに、送信完了まで至っていないのであれば、フォームの項目が多すぎる、あるいはエラーメッセージが不親切であるといった具体的な原因が浮き彫りになります。
名古屋の企業でも、伸びている会社は必ずこの「数字に基づいた改善」をルーチン化しています。主観で「なんとなくこっちの方がかっこいいから」とデザインを決めるのではなく、「ユーザーがこう動いているから、ここを直そう」という論理的なアプローチが、最終的に大きな売上の差となって現れます。
成果を出すための運用サイクル
ホームページを放置せず、常に最高のパフォーマンスを発揮させるためには、以下のサイクルを回す意識が大切です。
- Googleアナリティクスなどのツールで、どのページでユーザーが離脱しているか特定する
- 離脱の原因が「情報の不足」なのか「使い勝手の悪さ」なのか仮説を立てる
- 仮説に基づき、文章の書き換えやボタンの配置変更、写真の差し替えなどを行う
- 変更後、1ヶ月程度の期間をおいて、以前と比べて数字がどう変化したか検証する
- 良かった点は継続し、効果が出なかった点は別の手法を試すという改善を繰り返す
WEBサイトは24時間365日働く営業マンですが、教育(メンテナンス)をしなければスキルは落ちていきます。市場の変化や競合の動きに合わせて、常に自社の見せ方を最適化し続けること。この地道な努力こそが、問い合わせの絶えないホームページを作る唯一の方法です。
まとめ
問い合わせが来ない原因は、商品そのものにあるのではなく、その魅力を伝える「見せ方」にあることがほとんどです。情報の具体性を高め、スマートフォンの操作性を磨き、会社の人間味を伝える。この一見当たり前のような改善を積み重ねることで、あなたのホームページは強力な武器に変わります。今のサイトに少しでも不安を感じたら、まずは客観的な視点で自社のサイトを見直してみることから始めてみませんか。
投稿者プロフィール

株式会社デジタルダイブ サービス担当者
1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋をはじめ、東京や大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。
また、webデザインをはじめとしたクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO名古屋」を運営しています。
【許認可】
一般社団法人 日本Web協会、日本セイバーメトリクス協会(理事)、愛知県「あいちロボット産業クラスター推進協議会」(無人飛行ロボット活用WG)、JETRO(日本貿易振興機構)、名古屋市 SDGs 推進プラットフォーム 他
【有資格】
愛知県 競争入札参加資格、名古屋市 競争入札参加資格、全国 競争入札参加資格、全省庁 競争入札参加資格 他