- コラム
経営者がホームページを“よく分からない”ままにしてはいけない理由

「インターネットのことは専門外だから、制作会社に任せてある」「うちはIT企業じゃないから、細かい仕組みは分からなくてもいい」そんな風に考えている経営者の方は多いかもしれません。しかし、ビジネスのあらゆる接点がデジタルへ移行している現代において、自社のホームページをブラックボックス化したまま放置しておくことは、経営上の大きなリスクを背負うことと同じです。
ホームページ制作は、単にかっこいいデザインのページを作ることではありません。それは、24時間365日休まずに自社の強みを伝え続ける「デジタル支店」を建設することです。経営者がその支店の現状や課題を把握していない状態では、どれほど技術の高いWEB制作を行っても、本来得られるはずの成果を逃し続けてしまいます。
名古屋のような活気ある市場で競合他社がひしめく中、選ばれ続ける企業であるためには、経営者自身がホームページの役割を正しく理解し、自社の事業戦略と密接に結びつけて考える必要があります。専門的なプログラムの知識は必要ありませんが、経営判断として何を見るべきかを知っておくことが、5年後、10年後の会社の成長を左右します。
目次
経営判断を誤らせる「数字」と「現状」の乖離
ホームページをよく分からないままにしていると、最も大きな弊害が出るのが投資判断です。例えば、制作会社から「SEO対策が必要だ」「新機能を追加すべきだ」と提案されたとき、その根拠となるアクセス数や成約率の意味を理解していないと、それが本当に必要な投資なのか、それとも無駄な出費なのかを判断できません。
本来、ホームページ制作やその後の運用にかける費用は、売上を最大化するための投資であるべきです。しかし、現状の数字が分からないと、単に「月々の管理費」として固定費を払い続けるだけになってしまいます。今のサイトにどれくらいの人が訪れ、そのうち何人が問い合わせをしてくれているのか。この基本的な流れを把握するだけで、次に打つべき経営の一手が見えてきます。
名古屋の製造業やサービス業でも、伸びている会社の経営者は、自分たちのサイトが「どれだけ稼いでいるか」を明確な数字で語ります。専門用語を覚える必要はありませんが、サイトが事業にどれだけ貢献しているかという指標を経営の定点観測に加えることが、失敗しないWEB制作の土台となります。
経営者が把握しておくべき最低限の指標
専門家でなくても、以下のポイントを把握しておくだけで、制作会社との対話の質は劇的に変わります。
- 月に何人のユーザーが自社サイトを訪れているか(セッション数)
- ユーザーはどのようなキーワードで自社を見つけているか(流入キーワード)
- サイトに訪れた人のうち、何%が問い合わせに至っているか(コンバージョン率)
- 最もよく読まれているページはどこで、自社の強みが正しく伝わっているか
- 競合他社と比較した際、自社のサイトに欠けている情報は何か
これらの数字は、会社の健康状態を示すバロメーターです。数字に基づいた現状把握ができれば、制作会社に対しても「今の課題はこれだから、ここを改善してほしい」と主導権を持って指示を出せるようになります。任せきりにせず、数字に興味を持つことが、ホームページを本当の営業資産に変える近道です。
採用難を加速させる「見えない不信感」の正体
今の時代、経営者が最も頭を悩ませる問題の一つが「採用」です。そして、採用活動においてホームページが果たす役割は、想像以上に大きくなっています。求人媒体を見てあなたの会社に興味を持った若手人材や中途採用のプロフェッショナルは、100%と言っていいほど事前に企業のホームページを細かくチェックします。
経営者が「うちはWEB集客はメインじゃないから」とサイトを古いまま放置している間に、求職者はそのサイトを見て「この会社は変化に疎いのではないか」「情報の透明性が低いのではないか」という不信感を抱いています。どんなに面接で熱い想いを語っても、ホームページが10年前のデザインで止まっていれば、その言葉の信憑性は損なわれてしまいます。
ホームページ制作は、未来の社員に対する強力なプレゼンテーションです。経営者のビジョンや、実際に働く社員の姿、社内の雰囲気などが正しく伝わっていないことは、採用候補者を自ら他社へ追い出しているのと同じです。特に名古屋のように大手企業と人材を奪い合う環境では、WEBでの見せ方ひとつで、集まる人材の質と量に圧倒的な差が生まれます。
採用力を高めるために経営者が主導すべきコンテンツ
求職者が「この会社で働きたい」と感じるサイトにするためには、経営者にしか語れない情報が必要です。
- なぜこの事業を行っているのかという、代表者の血の通った創業ストーリー
- 今の課題を正直に伝え、それを一緒に解決してくれる仲間を求める誠実なメッセージ
- 社内の雰囲気が伝わる、加工しすぎていないリアルな写真や動画
- 実際に働いているスタッフの成功体験だけでなく、苦労ややりがいを語るインタビュー
- 5年後、10年後に会社がどうなっていたいかという明確なロードマップ
これらのコンテンツは、WEB制作会社が勝手に作れるものではありません。経営者自身が「どんな人を仲間に迎えたいか」を考え、それを言葉にする必要があります。ホームページを「会社案内」ではなく「採用の最前線」と捉え直すことで、慢性的な人手不足を解消するきっかけを掴めるようになります。
セキュリティ事故による「社会的信用」の失墜リスク
「うちは小さい会社だから狙われない」という油断が、企業の命取りになることがあります。近年のサイバー攻撃は、特定のターゲットを狙うだけでなく、システムが古いままのサイトを自動で見つけ出して攻撃を仕掛ける手法が主流です。ホームページをよく分からないまま放置していると、ある日突然、自社のサイトが改ざんされたり、ウイルス配布の踏み台にされたりする危険性があります。
もし自社のサイトが原因で、訪れた顧客に被害を与えてしまったらどうなるでしょうか。損害賠償の問題はもちろんのこと、これまで名古屋の地で長年築き上げてきた信頼は一瞬で崩れ去ります。「ITのことはよく分からない」という言い訳は、お客様や取引先には通用しません。経営者にとって、ホームページのセキュリティを守ることは、社用車の安全運転を管理するのと同等の責任です。
適切なWEB制作を行い、最新のセキュリティ対策を維持し続けることは、会社を守るための最低限の投資です。保守・運用のコストを削ることは、鍵をかけずに店舗を運営しているのと同じ状況だという認識を持つべきです。守るべきものを守るという経営の基本姿勢が、WEB運用の場でも問われています。
セキュリティ事故を防ぐために確認すべき管理体制
専門的なことはプロに任せるにしても、経営者として以下の管理状況だけは確認しておきましょう。
- サイトを動かしているシステム(WordPressなど)が常に最新の状態に更新されているか
- ドメインやサーバーの契約情報が自社で管理されており、期限切れのリスクがないか
- お問い合わせフォームなどで扱う個人情報が、適切に暗号化(SSL化)されているか
- 万が一サイトが破壊されたときのために、バックアップが定期的に取られているか
- 何かトラブルが起きた際、即座に連絡がつく専門のパートナーが確保されているか
セキュリティ対策は、売上に直結しないため後回しにされがちですが、事故が起きた時の損失は計り知れません。「分からない」で済ませるのではなく、「自社の安全管理は万全か」と常に問いかける姿勢が、組織全体の危機管理能力を高めることに繋がります。
競合他社に「市場の主導権」を奪われる機会損失
最後に考えるべきは、競合他社との相対的な立ち位置です。あなたが「ホームページはよく分からない」と足踏みをしている間に、競合他社は着々とホームページ制作をアップデートし、コンテンツを積み上げ、検索結果の上位を独占しています。5年前、10年前は互角だったライバル企業が、WEB活用に力を入れたことで圧倒的な集客力を持ち、今や太刀打ちできない存在になっているという話は、どの業界でも珍しくありません。
WEB上の市場シェアは、一度奪われてしまうと取り返すのに多大な時間と費用がかかります。検索エンジンからの評価は一朝一夕には積み上がらないからです。今の顧客は、不満や悩みが生じたとき、まずスマートフォンで検索をします。その時に自社の名前が出てこず、他社の名前ばかりが目に入る状態が続けば、いずれ既存顧客までもが他社に流れてしまうのは時間の問題です。
ホームページ制作を成功させる鍵は、経営者が自社の強みを「WEBでどう表現するか」にコミットすることです。デザインの好みではなく、ビジネスをどう勝たせるかという視点でWEB戦略を組み立てる。その主体的な姿勢こそが、他社には真似できない独自の価値をインターネット上に構築し、市場での主導権を握るための唯一の方法です。
市場で勝ち残るための能動的なWEB活用
ホームページを単なる名刺代わりにせず、強力な営業ツールにするための戦略的視点をまとめました。
- 自社の強みを「顧客の悩み解決」という言葉に置き換えて発信する
- ターゲットとなる顧客が検索しそうな言葉を予測し、その答えとなる情報を蓄積する
- 名古屋などの地域性を活かし、地元密着だからこそ提供できる価値を強調する
- サイトのアクセスデータを定期的に確認し、ユーザーの反応に合わせてサービスを微調整する
- 最新のWEBトレンドを取り入れ、ユーザーにとっての「使いやすさ」を常に追求する
ホームページを「よく分からないもの」から「経営の武器」へと変える。その意識の変化が、現場のスタッフや制作会社を動かし、結果として大きな成果を生み出します。経営者が自らWEBの可能性を信じ、向き合うこと。それが、不確実な時代を生き抜くための最も確実な経営判断となるはずです。
まとめ
ホームページは、今や会社の顔である以上に、経営の成否を分ける心臓部です。数字を把握し、採用力を高め、リスクを管理し、競合に勝つ。これらすべての中心にあるWEBサイトを、経営者が「分からない」ままにしておくリスクを今一度考えてみてください。自社の未来をデジタルでどう切り拓くか、まずは現状を知ることから始めてみませんか。
投稿者プロフィール

株式会社デジタルダイブ サービス担当者
1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋をはじめ、東京や大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。
また、webデザインをはじめとしたクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO名古屋」を運営しています。
【許認可】
一般社団法人 日本Web協会、日本セイバーメトリクス協会(理事)、愛知県「あいちロボット産業クラスター推進協議会」(無人飛行ロボット活用WG)、JETRO(日本貿易振興機構)、名古屋市 SDGs 推進プラットフォーム 他
【有資格】
愛知県 競争入札参加資格、名古屋市 競争入札参加資格、全国 競争入札参加資格、全省庁 競争入札参加資格 他